ブログ
おススメの書籍
松波竜太「その節税が会社を殺す」|世の中、結局カネ
こんばんは、税理士の吉村です。
私が所属している税理士の支部は高齢化が進みなかなか話の合う税理士と出会う機会がありません。
リアルな繋がりよりTwitterを通して知り合っている税理士の方が多いくらいです。
そこで他の税理士の方が書いた書籍は、私の狭い世界を広げてくれる手掛かりみたいなものになっています。
今回は、さいたま新都心税理士法人代表社員で税理士の松波さんの書籍「その節税が会社を殺す」をご紹介します。
節税は悪
松波さんは「節税は悪だ」と言い切っています。
気持ちがいいほど、ハッキリと。
例えば、よくある節税として生命保険を使う方法がありますが、これを全否定。
保険には加入せずしっかりと利益を計上し、法人税を支払うこと。これが1番手元にお金が残る選択であり、会社にとってはベストである。
確かに会社の規模やステージによっては保険は入らない方がいいことがあるとは思います。
しかし、私の考えは出口戦略を退職金としつつ、経営者に万が一があった時の補償としての保険には加入すべきだと考えます。
結果として節税に繋がるかもしれませんが、それが目的ではなくあくまで補償としての保険は重要です。
特に零細・中小企業は経営者が一時的に働けなくなると即、廃業につながります。
その時に保険があるとないとでは天と地ほど差ができるでしょう。
法人税が1番お得
中小企業における法人税の負担率は、意外と低いものです。
とくに、法人所得800万円以下の場合の負担率は所得の約4分の1となっています。
つまり、法人税を支払っても利益の4分の3から3分の2を手元に残せることになります。
第2章 「法人税アレルギーが会社を潰す」より
役員報酬を増やすと所得税、住民税、社会保険料も増えます。
所得税と住民税を合わせた最大税率は55%と非常に高く設計されています。
これに社会保険料が加わると役員報酬を必要以上に高額にすることは非効率極まりないでしょう。
法人税と役員報酬のバランスは考えなければいけません。
世の中、結局カネ
金があるからうまくいく、金があるから利益も出るのです。利益が出たから金が貯まるのではありません。
カネがあるから、
・選択肢が持てて、有利な交渉ができる
・必要な投資ができる、ライバルに先駆けて動ける
・迅速な決断、決定ができる
・優秀な人材を雇える、業務を発注できる
第3章 無借金経営は死へのカウントダウン より
中小企業はお金を借りたいときに借りることはできません。
銀行は業績が良いときにしかお金を貸してはくれないものです。
まとめ
「その節税が会社を殺す」この本は、私が税理士としてクライアントと話をするときに非常に役に立つ内容がぎっしり詰まっていました。
特に、月商3ヵ月分の手元資金あれば余裕ある企業であるという1つの目安を知れたのは良かったです。
今後は融資相談の際に使えるネタが増えました。