社長の自宅を事務所にしたら家賃は経費にできる?税務上のポイントを解説
2025/11/17
最近は、社長一人で会社を経営しており、自宅の一部を事務所や作業スペースとして使うケースが増えています。
このような場合、「自宅の家賃を経費にできるのか?」という質問をいただくことがあります。
結論から言うと、自宅のうち業務に使っている部分については経費にできます。
ただ、処理方法を間違えると「経費として認められない」や「課税対象になる」といったこともある注意が必要な論点です。
この記事では、自宅兼事務所の家賃を経費にする際の考え方と注意点を解説します。
ぜひ、最後までお読みください!
自宅を事務所として使う場合の基本的な考え方
まず前提として、社長個人が賃貸契約を結んでおり、
その自宅の一部(書斎やリビングの一角など)を会社の業務に使っている場合を想定します。
このとき、会社が社長個人に「地代家賃」として支払う金額のうち、仕事部分の割合を経費にすることができます。
たとえば、
・自宅全体の20%を仕事で使っている
・月の家賃が10万円
の場合、
→ 月2万円を会社の経費(地代家賃)として計上できます。
一方で、残りの8万円はプライベートな部分ですから、経費にはできません。

按分(あんぶん)の基準は「仕事で使う割合」
この割合(按分)は、床面積や使用時間などの合理的な基準で算出する必要があります。
たとえば、
・床面積の比率(10畳中2畳が仕事スペースなら20%)
・使用時間の比率(1日24時間中8時間が仕事なら約33%)
といった方法で算出します。
どの基準を採用しても構いませんが、根拠が説明できる形で記録を残しておくことが大切です。
経理処理の方法
会社側では、次のように処理します。
・会社 → 「地代家賃」として経費に計上
・社長個人 → 「不動産所得」として確定申告で申告(課税対象)
つまり、会社の経費にはなりますが、社長個人の側では所得税・住民税の対象になるという点がポイントです。
このため、実際には「会社の税金が減る分」と「社長個人の税金が増える分」を比較して、どちらが有利かを判断する必要があります。
このような有利判定については、長くなりますので別記事で詳しく解説しようと思います!(ぜひご覧ください。)
注意点
・「地代家賃」として支払う場合は、毎月一定額を振込などで支払うのが望ましい(現金精算は避ける)
・契約書やメモなどで、「自宅の一部を事務所として使用している」ことを明示しておく
・家賃の按分割合が極端(たとえば80%や90%など)だと、税務署から否認されるリスクが高まる
まとめ
社長の自宅を事務所として使用している場合、
・業務に使っている部分の家賃は、会社の経費にできる
・ただし、社長個人にとっては不動産所得として課税対象になる
・経費化による会社側の節税効果と、社長個人の課税負担を比較して有利判定を行うことが大切
自宅兼事務所の処理は、見た目はシンプルでも、税務上の取り扱いが複雑です。
判断に迷う場合は、税理士などの専門家に一度相談しておくと安心ですね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
【執筆者】
この記事を書いた人 執筆者:上ヶ迫 歩
吉村税理士事務所のスタッフ。お役様に役立つ税金の知識を分かりやすくお伝えします。
この記事を監修した人 監修者:吉村 匡史(代表税理士)
広島の吉村税理士事務所・代表税理士。特に広島での会社設立・創業支援に力を入れており、地域の起業家を全力でサポートしています。>>代表プロフィールはこちら
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