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起業する前に読んでおくべき本

山田昭男「稼ぎたければ働くな」書評|経営とは「常に考える」こと

こんばんは、税理士の吉村です。

超ホワイト企業として有名な未来工業

年間の休みが140日。

残業一切禁止。

年間1,000万円ものお金を従業員が遊ぶために支払っているという太っ腹な企業。

そんな企業の創業者である山田昭男さんの著書「稼ぎたければ働くな」。

タイトルを見たときは、「働かず遊んで暮らそう!」って感じの中身かと思って読みましたが、まったく違いました。

今回は、山田昭男さんの「稼ぎたければ働くな」を読んだ感想を書いていきます。

4,000万円ぽっちさえ儲けていない

日本人は勤勉だ。だから、大半の会社とそこで働く社員たちは、なんとか利益を出そうと一生懸命働いている。だか、九十七%は働いても稼げない。いったいどの面下げて、一生懸命働け、と言えるのだろう。やみくもに働いたところで、現に稼げない会社が大半を占めているのが事実なのだ。私にはその理屈が不思議でならない。

はじめにより

2018年現在、日本にある企業の約6割が赤字です。

(国税庁「平成28年度分「会社標本調査」調査結果より」)

山田社長は、儲けていない企業の定義を4,000万円以下としています。

この本が出版されたのは、2013年なので2018年現在企業の97%が4,000万円の利益を出せていないかは定かではありません。

しかし、中小零細企業からしてみると4,000万円という利益は決してちっぽけなものではありません。

そもそも、売上ですら4,000万円に届かない企業も数多くありますからね。

我々中小零細企業からすると、チョット厳しすぎる意見のような気がします。

常に考える

ちょっとしたひと工夫でも実際にそれを形にすることで、プラスアルファの価値はいくらでも生み出せる。小さな会社が生き延びていくためには、「差別化」はまたとない手段だったのだ。だからこそ、どうすれば差別化できるかを徹底して考えて、考えて、考え抜いた。

【第1章】働かない人ほどよく考えるより

税理士も同じように差別化していかなければ、生き残ることができない時代になっています。

何がお客様に必要か?

何が喜ばれるサービスになるのか?

常に考え、実行し、試行錯誤しながらやっていかなくてはなりません。

仕事だけで生きているのではない

私の主義は「働くな」だ。昔から働くのは嫌いだった。嫌いというと語弊があるが、プライベートを犠牲にしてまで働く必要はない、と思っている。仕事はあくまでプライベートを充実させるためにやるものだ。仕事のためにプライベートが犠牲になるような働き方はやめたほうがいい。そんな生き方をしても誰も幸せにならない。

【第3章】働かない人ほど会社を育てるより

仕事が楽しくて楽しくてしょうがないという人は幸せです。

私も現在は、独立してすべて自分の好きなように好きな人と仕事ができるようになり、かなり楽しく日々を過ごすことができています。

しかし、日本サラリーマンは、嫌々ながらも給料をもらうために仕事に行っている人が多いのではないでしょうか。

また、経営者の中にもプライベート(家族)を犠牲にして仕事に精を出す方もいらっしゃいます。

・家族を犠牲にした結果、離婚することになった。

・帰るのが遅いため、子供の寝顔しか見ることができない。

犠牲にした代償は後になってから気づくものです。

 

ただ、私は「仕事はプライベートを充実させるもの」という筆者の意見には反対です。

仕事をすることで自己の成長にもつながりますし、会社や取引先の人とのつながりの中で幸せを感じることもあります。

私は、仕事もプライベートも両方楽しめる人生を歩んでいきたいと思います。

お金がなくてもアメを与えられる

社長が中古の軽に乗っている。それぐらい社長は我慢して利益を社員に還元してくれているのだと思えば、自然とがんばろうという気になる。お金でなくとも、働く姿勢の見せ方ひとつで、部下には立派なアメを与えられるのだ。

【4章】働かない人ほどリーダーになれるより

職業上、年齢がひとまわり上の経営者の方とお話する機会が多いです。

その年齢になると車好きだったり、腕時計好きであったり、ゴルフ好きであったりと、

いわゆる経営者が好きそうなものが好きな人が大勢いらっしゃいます。

特に車は顕著に表れます。

今期は儲かったから、ご褒美にいい車を会社名義で購入する。

確かに中古のベンツを買うことで節税対策にはなるかもしれませんが、

それを購入するくらいなら給料やボーナスで従業員に還元してあげればなぁーと思うこともしばしば。

人財に投資することが、会社を繫栄させる大きな手段であると私は考えています。

まとめ

未来工業がここまで発展してきたのは、常に考え続け、それを実行してきたから。

常識を疑い、常識を捨てることで他社と差別化し、顧客の信頼を得ていく。

経営とは、「常に考える」こと。

それをできる頭と、やる気があれば前に進むだけ。

山田社長の考え方に触れることができる良書でした。

ご興味のある方はぜひご覧ください。