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こんにちは、税理士の吉村です。
「脱ドンブリ勘定セミナー」で学んだことをシェアする記事。
第8回目。
いよいよ最後の記事です。
今回は、お金の流れを見える化するツール「お金のブロックパズル」のご紹介です。
わたしの経験上、中小零細企業の大多数の経営者は決算書が読めません。
しかし、会社を経営する上で、決算書が読めなくても数字に苦手意識があっても大丈夫です。
なぜなら、「決算書の数字が正確に読めること」と「正しい経営判断ができること」は別の能力だからです。
そして、正しい経営判断をするために便利なツールが「お金のブロックパズル」です。
この図を描くことで、会社のお金の構造がすぐにわかり、「儲けの仕組み」がつかめます。
また、「どのようにして利益をあげるか」を自分で考えられるようになります。
これが、会社のお金の流れをビジュアル化した「お金のブロックパズル」です。
ちなみに、この図は西順一郎先生のSTRAC表を和仁達也さんが加筆したものです。
「お金のブロックパズル」は、左側から順番に見ていきます。
まず、売上高を一番左に記入します。
次に、変動費を記入します。
変動費とは、売上に正比例して増減する経費のことをいいます。
具体的には商品や材料の仕入れや外注費などを指します。
売上から変動費を引いたものを粗利益といいます。
また、売上に対する粗利益の割合を粗利率といい。粗利率は商品や事業内容が同じならほぼ一定です。
そして、粗利益から固定費を引いたものが利益です。
固定費とは売上の増減にほとんど関係なく、一定して発生する経費をいいます。
固定費は、主に人件費(スタッフにかかる経費)とその他の経費(家賃・リース料等)からなります。
通常、人件費のしめる割合が高く、固定費の半分以上を占める場合が多いです。
利益のうち、約4割程度を法人税として納めます。
その他経費に入っている減価償却費は、お金が出ていかない費用のため、資金繰りを見るときは、繰り戻します。
最後に、税引後利益と減価償却費を足したものから、設備投資や借入金の返済、次期繰越の資金に当てます。
これが、会社の基本的なお金の流れです。
売上目標の設定方法には3つ方法があります。
1つは過去対比で決める方法。
前期は売上100であったから、今期は10%増の110を目指す。というように簡単に設定することができます。
2つ目は他社対比で決める方法。
同規模の同業他社が売上200を達成していたと聞いたことから、自分の会社でも200を目標にする。
このように決めることもできます。
最後は、目標利益から逆算して売上目標を決める方法です。
目標利益は、
来期繰越金+借入金返済額+設備投資額+法人税額
で求めることができます。
目標利益が決まれば、
目標利益+固定費(人件費+その他の経費)予算
で、目標粗利が求められます。
最後に、
目標粗利÷粗利率
で、目標売上を算出することができます。
「お金のブロックパズル」を使うことで、
数字に苦手意識のある経営者でもビジュアルでお金の流れを理解することができます。
また、利益から逆算して売上目標を設定することができるようになります。
他にもこのツールを使いこなすことができれば、次のような効果を得ることができます。
・5%の値上げすると利益が何倍になるかすぐにわかる
・この図を使い社員にわかりやすく会社の状況を説明できる
・どこに課題があるか浮き彫りになる
・人を何人まで雇うべきか、1人当たりの売上目標をいくらに設定すべきかわかる
「お金のブロックパズル」は、数字を根拠に正しい経営判断をすることができるようになるツールです。
ぜひ活用してみて下さい。
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