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会計事務所と税理士事務所は同じ?違いをわかりやすく解説

結論:同じとは限りません。違いは「税理士がいるかどうか」です

「〇〇会計事務所」と「〇〇税理士事務所」。看板の名前は違っても、中身はほとんど同じことが多いです。実際、税理士が開いている事務所でも「会計事務所」を名乗っているケースはたくさんあります。

ただし、決定的な違いがひとつあります。「税理士事務所」は税理士しか名乗れませんが、「会計事務所」は資格がなくても名乗れるという点です。

つまり「会計事務所」という名前だけでは、税理士がいるかどうか判断できません。申告書の作成や税務相談を任せるなら、名前ではなく「税理士が在籍しているか」を確認することが大切です。

この記事では、広島市安佐南区で開業している税理士の立場から、次の3点をわかりやすく解説します。

  • 会計事務所と税理士事務所の法律上の違い
  • 税理士にしか頼めない業務と、誰に頼んでもよい業務
  • 依頼先を選ぶときに確認すべきポイント

税理士事務所とは|税理士法で決められた「税の専門家」の事務所

税理士事務所とは、国家資格である税理士が、税理士法にもとづいて開いている事務所のことです。

税理士事務所を開けるのは税理士だけ

税理士として仕事をするには、試験合格などで資格を得たうえで、日本税理士会連合会の名簿に登録しなければなりません。さらに、事務所のある地域の税理士会に入会します。広島県の税理士は「中国税理士会」に所属しています。

税理士法では、税理士でない人が「税理士」や、これに似た名称を使うことを禁止しています(税理士法第53条)。そのため「税理士事務所」と看板を出しているなら、そこには必ず税理士がいます。

税理士事務所は1人1か所まで

個人の税理士が開ける事務所は1か所だけと決められています(税理士法第40条第3項)。支店を出して事業を広げることはできません。

その分、所長である税理士本人が目の届く範囲でお客様を担当するのが一般的です。「担当者がコロコロ変わる」「税理士本人に会えない」といったことが起きにくいのは、個人の税理士事務所の特徴といえます。

税理士事務所の主な業務

  • 法人税・所得税・消費税などの申告書の作成と提出
  • 税務調査の立ち会い
  • 節税や税金に関する相談
  • 記帳代行、決算書の作成
  • 会社設立、融資、資金繰りのサポート

会計事務所とは|法律上の決まりがない「通称」

「会計事務所」という言葉には、法律上の定義がありません。誰が名乗っても違法にはならない、いわば通称です。そのため、会計事務所の中身は大きく3つのタイプに分かれます。

タイプ 在籍する専門家 申告書の作成・税務相談
税理士がいる会計事務所 税理士 できる
公認会計士の事務所 公認会計士(税理士登録あり/なし) 税理士登録があればできる
資格者のいない会計事務所・記帳代行業者 なし できない

なぜ税理士事務所なのに「会計事務所」と名乗るのか

税理士が「会計事務所」を名乗る理由はいくつかあります。「税理士事務所」より柔らかい印象になること。税金だけでなく経理や経営全般を支援している姿勢を示せること。法人化して税理士法人になる前から、屋号として使い続けていることなどです。

名前が「会計事務所」であっても、税理士が開いていれば中身は税理士事務所と同じです。

注意したいのは「資格者がいない会計事務所」

問題になるのは、税理士がいないのに会計事務所を名乗っているケースです。こうした事業者ができるのは、帳簿をつける記帳代行や給与計算などに限られます。申告書の作成や、税金の個別相談を引き受けることは法律で禁止されています。

【比較表】会計事務所と税理士事務所の違い

ひと目でわかるように、違いを表にまとめました。「会計事務所」は税理士がいない場合を想定しています。

比較項目 税理士事務所 会計事務所(税理士なし)
名乗れる人 税理士のみ 誰でも可
根拠となる法律 税理士法 なし
申告書の作成・提出 できる できない
税務相談 できる できない
税務調査の立ち会い できる できない
記帳代行・給与計算 できる できる
守秘義務 法律で義務あり 契約内容しだい
ミスがあったときの責任 税理士職業賠償責任保険に加入している事務所が多い 事業者ごとに異なる

表のとおり、帳簿づけだけなら差はありません。ところが、申告や税務調査まで見すえると、税理士に頼めるかどうかで対応できる範囲がまったく違ってきます。

料金はどう違う?「記帳代行+申告は別」だと割高になることも

料金は、事務所の名前ではなく「どこまで任せるか」で決まります。比べるときは、月額ではなく年間の総額で見るのが鉄則です。

記帳代行業者と税理士に別々に頼むと、税理士は決算の時点で初めて帳簿を見ることになります。そこで処理の誤りが見つかると、修正の手間が追加料金になったり、申告が締め切りぎりぎりになったりします。1年を通して同じ税理士事務所が帳簿を見ていれば、こうした手戻りは起きにくくなります。

当事務所の具体的な料金は、「料金のご案内」ページに掲載しています。

税理士にしかできない3つの業務

税理士法では、次の3つを税理士だけに認められた「独占業務」と定めています(税理士法第2条第1項)。

  1. 税務代理:税務署への申告や申請、税務調査の対応を本人に代わって行うこと
  2. 税務書類の作成:確定申告書や法人税申告書など、税務署に出す書類を作ること
  3. 税務相談:「この場合の税金はいくらか」「どう処理すれば税金が少なくなるか」など、個別の事情にもとづいて相談に乗ること

「無料だから」「知り合いだから」でも違法になります

これらの業務は、お金をもらわず無料で行った場合でも、税理士以外がやれば違法です(税理士法第52条)。「記帳代行のついでに申告書もサービスで作っておきますよ」という申し出は、実は法律違反にあたります。

依頼した側が罰せられるわけではありません。しかし、資格のない人が作った申告書に誤りがあっても、税務調査で一緒に説明してくれる専門家がいません。追徴課税や加算税を負担するのは、最終的に依頼した本人です。

税理士でなくてもできる業務

一方で、次のような業務は税理士の資格がなくても行えます。

  • 帳簿の記帳代行(領収書や通帳の入力)
  • 給与計算
  • 経理のやり方の指導
  • 経営や資金繰りのアドバイス

「入力作業だけを安く外注したい」なら、記帳代行業者も選択肢になります。ただ、その後の申告は別に税理士へ頼む必要があり、結果的に二重の手間と費用がかかることもあります。

公認会計士事務所・税理士法人とはどう違う?

「会計事務所」と調べると、公認会計士事務所や税理士法人も出てきます。あわせて違いを整理しておきましょう。

種類 主な業務 中小企業の税務
税理士事務所 税務申告、税務相談、記帳、経営サポート 主な対象
税理士法人 税理士事務所と同じ。税理士2名以上で設立し、複数の拠点を持てる 主な対象
公認会計士事務所 上場企業などの会計監査が中心 税理士登録をしていれば対応可

公認会計士は「監査」の専門家

公認会計士の独占業務は、企業の決算書が正しいかをチェックする「会計監査」です。主に上場企業や大企業が対象になります。

公認会計士は、税理士として登録すれば税理士業務も行えます(税理士法第3条)。ただし登録していない公認会計士は、申告書の作成や税務相談を引き受けられません。

税理士法人は「複数の税理士で運営する法人」

税理士法人は、2人以上の税理士が共同で設立する法人です。個人の税理士事務所と違い、支店を出すことができます。規模が大きく担当者が多い一方、所長の税理士と直接話す機会は少なくなる傾向があります。

地域の中小企業や個人事業主であれば、税理士事務所・税理士法人のどちらでも問題ありません。大切なのは規模より、自分の業種や悩みに合った相談相手かどうかです。

見落としがち:税理士事務所でも「担当者が税理士」とは限りません

ここは、ほかの解説記事ではあまり触れられていないポイントです。税理士事務所に依頼しても、毎月やりとりする担当者は税理士ではなく、事務所の職員であることが一般的です。

職員は税理士の指示と監督のもとで、記帳や申告書の下書きを担当します。これ自体は違法ではなく、どの事務所でも行われている通常の体制です。最終的に申告書を確認して署名する責任は、税理士にあります(税理士法第33条)。

問題は、税理士本人がほとんど関わらず、職員任せになっている場合です。契約前に、次の2点を確認しておくと安心です。

  • 毎月の担当は誰で、税理士本人とはどのくらいの頻度で話せるか
  • 節税や税務調査など、判断が必要な相談には税理士本人が対応するか

依頼先に税理士がいるか確認する3つの方法

「会計事務所」と名乗る依頼先に税理士がいるかは、次の方法で簡単に確かめられます。

  1. 日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で調べる:税理士の氏名や事務所の所在地で検索すると、登録の有無や所属税理士会がわかります。
  2. ホームページで税理士名と登録番号を確認する:税理士事務所であれば、代表税理士の氏名や登録番号、所属税理士会を載せているのが一般的です。
  3. 契約前に「申告書には誰が署名しますか」と聞く:税理士が作った申告書には、税理士の署名欄があります。署名する税理士の名前をはっきり答えられない場合は注意が必要です。

ネットの格安サービスは特に確認を

「確定申告まるごと〇万円」といった格安サービスの中には、実際の作業を無資格の業者が行い、税理士は名義を貸しているだけのケースもあります。いわゆる「名義貸し」は税理士法違反です。料金の安さだけで決めず、誰が担当するのかを必ず確認しましょう。

今の依頼先に税理士がいるか不安な方へ 過去の申告書をお持ちいただければ、税理士の署名の有無や内容の確認から承ります。広島市安佐南区の当事務所まで、お問い合わせフォームまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。

広島で依頼先を選ぶときの5つのポイント

税理士がいることを確認できたら、次は「自分に合うか」を見極めます。広島で開業・経営する方からよく相談を受ける視点をもとに、5つのポイントをまとめました。

① 自分の目的に強い分野があるか

税理士にも得意分野があります。会社設立、銀行融資、相続、医療機関など、事務所ごとに強みは違います。たとえば法人成りを考えているなら、設立手続きから融資の申し込みまで一貫して相談できる事務所だと手間が省けます。

② 気軽に相談できる距離感か

「こんなことを聞いてもいいのかな」とためらう相手では、結局相談が遅れてしまいます。税務調査の連絡が来たときや、資金繰りが苦しくなったときに、すぐ連絡できるかどうかは重要です。初回の面談で、話しやすさや返信の早さを確かめましょう。

③ 料金の内訳がはっきりしているか

月々の顧問料に何が含まれ、決算料や年末調整が別料金かどうかを確認します。「月額は安いのに、決算時に高額な請求が来た」という声は少なくありません。年間の総額で比べるのがおすすめです。

④ 地元の事情に詳しいか

広島で創業や法人成りをするなら、地元の支援制度を使えるかどうかで、手元に残るお金が変わります。代表的なものは次のとおりです。

  • 特定創業支援等事業:市区町村が認定する創業支援を受けて証明書をもらうと、株式会社設立時の登録免許税が最低15万円から7.5万円に軽減されます。
  • 日本政策金融公庫(広島支店ほか)の創業融資:無担保・無保証人で利用できる制度があり、事業計画書の出来が審査を大きく左右します。
  • 広島県信用保証協会の保証付き融資:地元の銀行・信用金庫から借りる際に使われることが多く、公庫と組み合わせて資金を確保するケースもあります。
  • 広島商工会議所・各地の商工会:創業相談や経営指導を無料で受けられ、補助金申請の窓口になることもあります。

こうした制度は、申請のタイミングや書類の順番を間違えると使えなくなることがあります。地元の制度に慣れた税理士なら、設立前の段階から段取りを一緒に組めます。安佐南区・安佐北区・西区など、事務所に足を運びやすい場所かどうかも、長く付き合ううえでは見逃せません。

当事務所の代表税理士は、日本政策金融公庫や地元金融機関と連携し、広島でこれまでに約50件の創業をサポートしてきました。会社設立前の資金計画づくりから、融資の申し込み、設立後の顧問まで一貫してご相談いただけます。

⑤ 書面添付制度に対応しているか

書面添付制度とは、税理士が申告書の内容を確認したことを示す書面を、申告書に添えて提出する制度です(税理士法第33条の2)。この書面がある場合、税務署は税務調査の前に、まず税理士から意見を聴く機会を設けることになっています(同法第35条)。

その結果、調査に進まずに終わることもあります。申告の信頼性を高めたい会社や、融資で決算書の信用力を上げたい会社にとって、確認しておきたい項目です。

よくある質問

Q. 会計事務所と税理士事務所、料金に違いはありますか?

名前による料金の違いはありません。料金を左右するのは、売上規模、取引の量、記帳を自分でするか任せるか、といった依頼内容です。税理士がいない記帳代行業者は割安に見えることがありますが、申告を別に依頼する費用も含めて比べましょう。

Q. 個人事業主でも税理士に頼んだほうがいいですか?

売上が少なく取引も単純なら、ご自身で申告することも十分可能です。一方で、売上が伸びて消費税の納税が始まるタイミングや、法人成りを考えはじめたタイミングは、税理士に相談するメリットが大きくなります。

Q. 今の会計事務所に税理士がいなかった場合はどうすればいいですか?

まず、過去の申告書に税理士の署名があるかを確認してください。署名がない場合は、ご自身で申告した扱いになっています。内容に不安があれば、早めに税理士へ見直しを相談しましょう。依頼先の切り替え方は、「税理士の変更を検討中の方へ」の記事で解説しています。

Q. 税理士事務所に記帳だけを頼むことはできますか?

できます。記帳だけを依頼して申告はご自身で行う形や、申告・経営相談まで含めた顧問契約など、依頼する範囲は事務所と相談して決められます。

Q. 「会計事務所」と「会計士事務所」は同じですか?

違います。「会計士事務所」は、一般的に公認会計士が開いている事務所を指します。一方の「会計事務所」は通称なので、税理士の事務所の場合も、資格者のいない業者の場合もあります。名前が似ていても、在籍している資格者を確認しましょう。

Q. 税理士事務所の職員に相談しても大丈夫ですか?

大丈夫です。職員は税理士の指示と監督のもとで業務を行っており、日々の経理や書類の準備などは職員が窓口になるのが一般的です。ただし、節税の判断や税務調査の対応など専門的な判断が必要な場面では、税理士本人に相談できる体制かどうかを確認しておくと安心です。

Q. 広島で税理士を探すにはどうすればいいですか?

日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」では、地域を指定して税理士を探せます。広島県の税理士は中国税理士会に所属しているので、所属税理士会の表示もあわせて確認しましょう。候補が見つかったら、ホームページで得意分野や料金を確認し、初回面談で相談しやすさを確かめるのがおすすめです。

まとめ:名前より「税理士がいるか」で選びましょう

  • 「税理士事務所」は税理士しか名乗れないが、「会計事務所」は誰でも名乗れる
  • 申告書の作成・税務相談・税務調査の対応は、税理士にしかできない
  • 依頼先に税理士がいるかは、税理士情報検索サイトや登録番号で確認できる
  • 選ぶときは、得意分野・相談しやすさ・料金の総額・地元への詳しさ・書面添付への対応を見る

まずは吉村税理士事務所にご相談ください

依頼先に税理士がいると確認できたら、次に気になるのが料金です。

顧問税理士の料金は、年商や記帳代行の有無、相談頻度によって大きく変動し、法人であれば月額1万5,000円〜5万円程度、個人事業主であれば月額1万円前後からが一般的な相場です。ただし、顧問料の安さだけで判断すると、決算料などの別料金や、相談対応の質で結局割高になるケースもあります。

「今の顧問料が適正か知りたい」「これから顧問税理士を探したい」という広島市の経営者様は、料金体系とサポート範囲をあわせて確認できる相談から始めてみることをおすすめします。

広島の税理士をお探しの方は、まずは現在の顧問料の内訳を一緒に見直すところからご相談ください。


【執筆者】この記事を書いた人
執筆者:増渕美織
吉村税理士事務所のスタッフ。お客様に役立つ税金の知識を分かりやすくお伝えします。

【監修者】この記事を監修した人

監修者:吉村 匡史(吉村税理士事務所 代表税理士/税理士登録番号 第135285号)
広島市で税理士事務所を開業して約9年。現在60社の顧問先を担当。

【専門分野】会社設立・創業融資/資金繰り改善/財務コンサルティング

日本政策金融公庫・地元金融機関との連携による創業融資支援を得意とし、
これまでに約50件の創業をサポート。
「数字がわかると、経営判断は驚くほどラクになります。
決算書を”提出するための書類”で終わらせず、次の一手を決める材料に
変えていただくことを大切にしています。」

▶ 吉村匡史のくわしいプロフィールは>>はこちら
▶ YouTubeチャンネル「吉村税理士の【お金の羅針盤】経営者のための税務・会計ガイド」で税金の話を発信中

 

 

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