創業の基礎知識(個人事業主編)
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確定申告したけど計算の仕組みが分からない?所得税の基本をスッキリ解説!
皆さんこんにちは。ガサコくんです。
確定申告の時期が終わりましたね。確定申告をされた方々お疲れ様でした!
確定申告手続きはスムーズにできましたか?2月中には終わらせたよという方もいれば、期限ギリギリになってしまった方もいると思います。
期限ギリギリになってしまった方だと特に、「とりあえず申告はできたけれど、所得税がどういう仕組みで計算されたのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか?せっかく申告したのに、計算の仕組みが分からないままだと、もやもやしますよね。今回は、所得税の基本的な計算方法をわかりやすく解説します!
所得税の計算は実際にはもっと複雑ですが、今回は基本的な流れを説明していきますね。
所得税の計算の流れ
所得税は、以下のステップで計算されます。
- 収入を把握する(売上や給与など)
- 必要経費を差し引く(個人事業主の場合)
- 各種所得控除を適用する(扶養控除や基礎控除など)
- 課税所得金額を求める(所得税の対象となる金額)
- 税率をかけて税額を算出する
- 税額控除を適用し、最終的な所得税額を求める
- 源泉徴収税額を精算する
この流れを理解しておくと、確定申告の際に「なぜこの金額になるのか?」がスムーズに把握できるようになります。
課税所得の計算方法
まず、所得税の対象となる「課税所得」を求めます。
(1)総所得の計算
個人事業主の場合:総収入 - 必要経費 = 事業所得
会社員の場合:給与収入 - 給与所得控除 = 給与所得
所得には、事業所得や給与所得のほか、不動産所得、配当所得、一時所得、退職所得など全部で10種類あります。
(2)所得控除を差し引く
代表的な所得控除は以下のようなものがあります。
- 基礎控除(所得制限があります)
- 配偶者控除(配偶者の所得が一定以下の場合)
- 扶養控除(扶養家族がいる場合)
- 社会保険料控除(健康保険や年金の支払額)
- 生命保険料控除(生命保険に加入している場合)
このほか、医療費控除、小規模企業共済等掛金控除、雑損控除など、全部で15種類の所得控除があります。
計算例:事業所得 400万円 - 各種控除 100万円 = 課税所得 300万円
所得税率と税額の計算
課税所得が決まると、税率をかけて所得税を求めます。
税率は、超過累進税率となっており、下記の速算表に当てはめて計算していきます。
課税所得(円) | 税率 | 控除額(円) |
---|---|---|
〜195万 | 5% | 0 |
195万〜330万 | 10% | 97,500 |
330万〜695万 | 20% | 427,500 |
695万〜900万 | 23% | 636,000 |
900万〜1,800万 | 33% | 1,536,000 |
1,800万〜4,000万 | 40% | 2,796,000 |
4,000万〜 | 45% | 4,796,000 |
例)課税所得が300万円の場合:3,000,000 × 10% - 97,500 = 202,500円
速算表を見てお気づきの方もいると思いますが、課税所得が高ければ高いほど、高い税率が適用されます!
最高で45%です。住民税(10%)と合わせると55%になります。課税所得の半分以上が税金に変わってしまいますね・・・。
なお、株式の譲渡所得や不動産の譲渡所得など、一部の所得は「分離課税」とされ、通常の所得税率とは異なる税率が適用されます。
税額控除と最終税額
税額控除には以下のようなものがあります。
- 住宅ローン控除
- 配当控除
税額控除が適用されると、所得税額から直接引かれます。
このほか、外国税額控除、政党等寄附金特別控除など、他にも税額控除があります。
計算例:所得税額 202,500円 - 住宅ローン控除 50,000円 = 152,500円(納税額)
また、給与所得者などで源泉徴収された税金がある場合は、確定申告時に精算され、納税額が調整されます。
まとめ
今回の内容を知っておけば、来年の確定申告の際に「なぜこの金額になるのか?」が理解しやすくなると思います!
不明な点があれば、専門家に相談するのもおすすめです。ぜひ参考にしてみてくださいね!
来年の確定申告時に多額な税金が発生しても対応できるように、所得税の仕組みを理解し、早めに備えておきましょう。
次回は、来年の確定申告に向けて所得税の節税について解説します。
最後まで読んでいただきありがとうございました!