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創業の基礎知識(法人編)

社用車は購入とリース、どちらがお得?

広島の経営者の方からよくあるご相談のひとつに、
「社用車は購入とリースのどちらが得なのか?」というものがあります。

この悩みをお持ちの経営者の方、意外と多いのかなと思っています。

購入とリースどちらを選択すべきかは、資金繰り・節税・会計処理、それぞれの観点で判断が異なります。
今回は、社用車を購入すべきか、それともリースすべきか、税務上の考え方と実務上の判断ポイントを整理していきます!

一番の違いは「資金の出方」

まず大きな違いは、現金の出ていくタイミングです。

購入の場合は、車両代をまとめて支払うため、初期の資金負担が大きくなります。
ローンで購入する場合でも、借入金が増えるという点では同様です。

一方、リースは初期費用を抑えながら、月々のリース料として支払います。
支払ったリース料は全額を経費処理できるため、キャッシュフローの安定につながります。

以上のことから、手元資金に余裕がある場合は「購入」資金繰りを重視する場合は「リース」が適しています!

節税効果で見ると「中古車購入」が有利な場合も

次に、税務面の比較です。
一般的には次のような違いがあります。

購入:減価償却により、数年にわたって経費化(普通車6年、軽自動車4年)

リース:支払ったリース料をそのまま経費化

この点だけ見ると「リースの方がすぐに経費になる」と思われがちですが、
中古車を購入する場合は少し事情が異なります。

中古車は耐用年数が短く設定されるため、
比較的早いペースで減価償却できる点がメリットです。

たとえば、4年落ちの普通車を購入した場合、耐用年数は「2年」となり、
2年間で全額を経費化することができます。
(※ただし、減価償却費は月割計算ですので、決算月に購入しても一部しか費用にできません。)

そのため、「来期以降を見据えて早めに経費化したい」場合には、
中古車購入が有利になるケースがあります。

リースは「節税目的」よりも「資金繰りの安定」を重視する方向け

リースは毎月の支払額が固定されており、支払額全体を経費にできます。
このため、毎月一定の車両コストを経費化したい会社に適しています。

ただし、リース料には金利や手数料が含まれるため、
長期的に見ると購入よりも総コストは高くなることが多いです。

資金繰りを重視するか、総コストを抑えるか。
このバランスをどう取るかが判断のポイントになります。

売却益の取り扱いにも注意が必要

購入した車両は、自社の資産として計上されます。
そのため、売却時に売却益が発生すれば、課税対象となります。

一方、リース車両はあくまでリース会社の資産であるため、
売却や除却といった処理は不要です。
契約期間終了後に返却して完結です。

この点も、管理の手間や将来の処理を考える上で重要な要素ですね!

実務的な判断の目安

実務上の判断がしやすいように、表にまとめてみました。

判断軸 購入が適するケース リースが適するケース
資金繰り 手元資金に余裕がある 初期費用を抑えたい
節税目的 中古車などで短期償却を狙いたい 経費を一定にしたい
管理面 車検・保険を自社で対応できる 管理業務を軽くしたい
利用期間 長期間使用予定 定期的に入れ替えたい

まとめ:目的を明確にして選択を

購入とリース、どちらが有利かは一概には言えません。
目的が「節税」なのか「資金繰り」なのかによって判断が変わるためです。

・利益を圧縮したい場合:耐用年数の短い中古車購入

・キャッシュを残したい場合:リース契約

・長期的にコストを抑えたい場合:新車購入

社用車の導入は、節税だけでなく経営全体の資金計画にも関わる部分です。
購入・リースそれぞれの特徴を理解した上で、
自社の経営方針や財務状況に合わせた選択を行うことが大切です!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

【執筆者】

この記事を書いた人 執筆者:上ヶ迫 歩

 吉村税理士事務所のスタッフ。お役様に役立つ税金の知識を分かりやすくお伝えします。

この記事を監修した人 監修者:吉村 匡史(代表税理士)

 広島の吉村税理士事務所・代表税理士。特に広島での会社設立・創業支援に力を入れており、地域の起業家を全力でサポートしています。>>代表プロフィールはこちら

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