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効果的な節税対策経理処理の仕方
こんにちは。吉村税理士事務所スタッフです。
毎年春になると、市区町村から「固定資産税・都市計画税 納税通知書」が届きます。「去年と同じように処理しておけばいい」と思いつつも、「本当にこのやり方で合っているのか」「もっと節税できる方法はないか」と不安を感じている経営者・経理担当者の方は少なくありません。
この記事では、固定資産税を経費として正しく処理するための勘定科目・仕訳・計上タイミングの選び方を、法人と個人事業主に分けて解説します。延滞金の扱いや、計上ルールを変更したい場合の注意点まで網羅していますので、ぜひ通知書が届いたタイミングで一度ご確認ください!
目次
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地・建物・償却資産を所有している人に対して課される地方税です。事業で使っている資産であれば、
原則として「租税公課」として経費計上できます。
固定資産税の課税対象は3種類あり、それぞれ性質が異なります。
土地・建物は、市区町村が評価額を決定し、通知書にまとめて記載されます。事業用であれば全額、自宅兼事務所であれば按分して経費計上します(按分については後述)。
償却資産(機械・設備・車両など)は、毎年1月末までに事業者が自己申告を行い、6月頃に別途通知書が届くケースが多いです。土地・建物とは通知書が分かれることもあるため、処理漏れに注意が必要です。
広島市の場合、固定資産税・都市計画税の納期は通常以下のとおりです(年度により変動あり)。
通知書は例年4月中旬〜下旬に届くことが多く、第1期の納期限まで約1か月しかありません。届いたらすぐに処理方針を確認することをおすすめします。なお、納期限は自治体によって異なりますので、ご確認ください。
固定資産税を帳簿に記録する際の勘定科目は、「租税公課(そぜいこうか)」 が原則です。租税公課とは、国や地方公共団体に納める税金や公的な負担金を処理するための勘定科目で、固定資産税のほか、自動車税・事業税・印紙税なども同じ科目で処理します。
納期限を過ぎてしまった場合に発生する延滞金は、帳簿上は「租税公課」で処理しても構いません。ただし、税務計算上は損金(経費)に算入できないため、法人税の確定申告書(別表四)で「加算調整」が必要になります。
この加算調整を忘れると税務調査で指摘されるリスクがあります。実務上は、通常の固定資産税とは補助科目を分けて「租税公課/延滞金」として別管理しておくのが安全です。
法人税基本通達9-5-1に基づき、固定資産税を「損金(経費)として計上できるタイミング」は以下の3つから選択できます。どれが正しいというわけではなく、自社の決算月や経理体制に合った方法を選び、継続して使うことが重要です。
通知書が届いた時点で、その年度分の税額全体を「未払金」として一括計上する方法です。
メリット: その事業年度の固定資産税コストをすべて把握できるため、決算着地の利益予測が立てやすくなります。早期に費用化できるため、節税効果の面でも有利なケースが多いです。
注意点: 実際の支払いは4回に分かれるため、支払いのたびに「未払金」を取り崩す仕訳が必要になります。
年4回の納期限が到来するたびに、その期分だけを経費計上する方法です。
メリット: 支払いと計上のタイミングが近いため、感覚的に管理しやすいです。
注意点: 決算をまたぐ場合、当期・翌期のどちらに計上するかの判断が必要になります。
口座から引き落とされた日や窓口で支払った日に計上する方法です。
メリット: キャッシュフローと仕訳が完全に一致するため、最もシンプルに管理できます。
注意点: 通知書が届いた日と支払日が大きくずれる場合、費用計上のタイミングが遅れ、決算期をまたいだ際に当期費用として取り込めないケースがあります。
広島市の通知書は例年4月に届くため、決算月によって有利・不利が変わります。
3月決算法人の場合: 4月に通知書が届いた時点で新事業年度がスタートしているため、届いた日に全額計上すれば当期のコストとして確実に取り込めます。最も管理しやすいパターンです。
9月決算法人の場合: 4月受取・9月決算であれば、通知書受取日計上でも当期に全額算入できます。
12月決算法人の場合: 4月に届いた通知書を「届いた日に全額計上」すると、第4期(翌年2月)分まで含めて当期費用になります。第4期は翌年2月支払いなので、支払い時期より先に費用計上されることになります。このずれが気になる場合は分割計上の方が管理しやすいこともあります。
年間の固定資産税が10万円(4期分各25,000円)の場合を例に説明します。
通知書受取日(例:4月15日)
各支払日(例:4月・7月・9月・11月、各25,000円)
この仕訳を4回繰り返すことで、未払金の残高がゼロになります。
通知書受取時には仕訳不要。支払いのたびに以下の仕訳を行います。
個人事業主が固定資産税を経費にする場合も、勘定科目は「租税公課」を使います。ただし、資産の用途によって経費にできる割合が変わる点に注意が必要です。
事業専用の物件(店舗・倉庫・事務所など)の固定資産税: 全額を租税公課として経費計上できます。
自宅兼事務所の固定資産税: 事業使用割合に応じた「家事按分」が必要です。事業に使っている部分のみ経費として認められます。
完全にプライベートな自宅の固定資産税: 経費にはなりません。
自宅兼事務所の場合、最も一般的な按分方法は床面積比です。
計算例
按分割合の根拠は、税務調査で必ず確認されるポイントです。以下の点を押さえておきましょう。
税務調査で否認されないための3つのポイント
一つ目は、客観的な根拠を残すことです。間取り図や面積計算のメモを保存しておきましょう。「なんとなく3割」という根拠のない按分は否認されやすくなります。
二つ目は、按分割合を毎年継続して使うことです。利益が多い年だけ按分割合を上げるなど、恣意的な変更は問題になります。
三つ目は、事務所スペースを実際に使用している実態を保つことです。電話・パソコン・書類棚など、業務実態の証拠を残すことが大切です。
「これまで支払日ごとに計上していたが、通知書受取日に変えたい」という場合、以下の点に必ず留意してください。
① 合理的な理由が必要
単なる利益調整目的の変更は認められません。「会計システムの変更に伴い経理フローを整理した」「顧問税理士と協議の上、管理方法を統一した」など、正当な理由を説明できるようにしておきましょう。
② 事業年度の切り替わりで変更する
期の途中から突然変えるのではなく、新しい事業年度の期首から変更するのが原則です。
③ 事前に顧問税理士へ相談する
通達に反した恣意的な変更とみなされると、税務調査で否認されるリスクがあります。変更を検討している場合は、必ず事前に相談した上で進めてください。
当事務所(広島市安佐南区)には、固定資産税の処理に関して以下のようなご相談が届きます。
個人事業主から法人に変わると、固定資産税の名義と処理方法が変わります。特に自宅兼事務所を継続して使用する場合、社宅扱いとするか、個人名義のまま家賃として計上するかで処理が変わってきます。法人成り直後は処理ミスが起きやすいため、一度整理することをおすすめします。
過去の処理が誤っていた場合でも、修正申告で対応できるケースがあります。「ずっとこうしていたから大丈夫」という思い込みは危険です。特に按分割合や延滞金の処理は見落としやすいポイントです。
固定資産税の経費処理は、「通知書が届いた日・納期限・支払日」の3つのタイミングから選択できます。一般的には通知書受取日に全額未払計上する方法が有利なケースが多いですが、決算月との関係や管理体制によっては別の方法が適していることもあります。
大切なのは、一度選んだ方法を継続することと、個人事業主の場合は按分根拠を明確に残すことです。
処理方法に迷っている方、これまでのやり方が正しいか確認したい方は、お近くの税理士にお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【執筆者】
この記事を書いた人 執筆者:宍戸 幸輔
吉村税理士事務所のスタッフ。お客様に役立つ税金の知識を分かりやすくお伝えします。
この記事を監修した人 監修者:吉村 匡史(代表税理士)
広島の吉村税理士事務所・代表税理士。特に広島での会社設立・創業支援に力を入れており、地域の起業家を全力でサポートしています。>>代表プロフィールはこちら
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