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創業の基礎知識(法人編)

ChatGPTは経費にできる?勘定科目・仕訳・確定申告での処理方法

こんにちは。広島の吉村税理士事務所スタッフです。

最近、AIやビジネスツールの進化は目まぐるしいですね。ChatGPTをはじめ、Claude、Microsoft Copilot、Google Geminiなど、少し前までは一部の人だけが使っていたAIツールが、今では多くの会社や個人事業主の現場で当たり前のように活用されています。

「資料作成の下書きにChatGPTを使っている」「社内連絡にSlackを使っている」という方も多いのではないでしょうか。当事務所でも、AIやビジネスチャットツールを活用しています。

そこでよく疑問として挙がるのが、「これって、経費にしていいの?」「勘定科目は何を使えばいいの?」という点です。

今回は、ChatGPTをはじめとするAIツール・サブスクリプションサービスの経費処理について、勘定科目の選び方や仕訳例、確定申告での手順まで丁寧に解説します。

AIツール・サブスクサービスの経費可否 一覧

まずは代表的なサービスの経費可否と、一般的な勘定科目を確認しましょう。

サービス名 月額料金(目安) 経費 勘定科目の目安
ChatGPT Plus(OpenAI) 約3,000円 通信費 または 支払手数料
Claude Pro(Anthropic) 約3,000円 通信費 または 支払手数料
Microsoft Copilot 約3,200円 通信費 または 支払手数料
Google Gemini Advanced 約3,000円 通信費 または 支払手数料
Notion(有料プラン) 約1,600円〜 通信費 または 支払手数料
Slack(有料プラン) 約900円〜 通信費
LINE WORKS 約450円〜 通信費
Adobe Creative Cloud 約7,000円〜 通信費 または ソフトウェア使用料

※ いずれも業務目的で使用していることが前提です。プライベートでの利用が混在する場合は、後述する「按分(あんぶん)」が必要になります。為替相場により実際の日本円での請求額は変動します。

ChatGPTの勘定科目は何を使う?

「経費にできるのはわかったけれど、勘定科目は何を使えばいいの?」というご質問をよくいただきます。結論から言うと、どれか一つが正解というわけではなく、会社の状況やこれまでの処理方針によって選ぶことができます。

主な選択肢は以下の3つです。

・通信費

インターネット回線やクラウドサービスの利用料として処理する場合に使います。ChatGPTのようなオンラインサービスは「通信費」として処理するのが現在最も一般的で、シンプルな選択です。

・支払手数料

外部サービスの利用料として処理する場合に使います。「通信費というより、外部のシステム利用料」という感覚に近い場合は、こちらを選ぶこともあります。

・雑費

金額が少額で、毎月発生するわけではない場合に使われることがあります。ただし、雑費は内容が不明確になりがちで、税務調査の際に確認されやすい科目でもあります。毎月継続して発生する定額課金であれば、「通信費」や「支払手数料」で管理するほうが望ましいです。

おすすめの選び方:

・毎月継続して使うサービス → 通信費

・会社の既存ルールに合わせる → 支払手数料

・スポット的・少額の利用 → 雑費

いずれの科目を選んだ場合でも、会社内で一貫して同じ科目を使い続けることが大切です。

仕訳の具体例

よくあるケース別に、実際の仕訳例をご紹介します。

法人の場合(クレジットカード払い)

例:ChatGPT Plusを法人クレジットカードで月額3,300円(税込)支払った

利用時(決済日):

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費 3,300円 事業主借 3,300円

カード引き落とし時:

借方科目 金額 貸方科目 金額
未払金 3,300円 普通預金 3,300円

個人事業主の場合(クレジットカード払い・按分あり)

例:ChatGPT Plusを個人のクレジットカードで支払い、業務利用70%・私用30%で按分する

(月額3,300円 × 70% = 2,310円 を経費計上)

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費 2,310円 事業主借 2,310円

業務・私用が混在する場合(法人のスマホ代按分)

例:スマートフォンの月額通信費10,000円を法人で支払い、業務利用60%・役員の私的利用40%で按分

借方科目 金額 貸方科目 金額
通信費 6,000円 普通預金 10,000円
役員給与 4,000円

私的利用が混ざる場合は「按分」が必要

ChatGPTで業務の資料作成をしつつ、休日の家族旅行の計画も立てているといった場合、業務以外の利用分は経費にすることができません。このようなケースでは「按分(あんぶん)」という考え方を使います。

・按分の例: 月額3,000円のうち、業務での利用が約70%と判断できる場合、経費にできるのは2,100円です。残りの900円は経費に含めません。

利用時間の割合を厳密に計測することは難しいケースも多いですが、「どのくらい業務に使っているか」を合理的な根拠をもとに説明できることが大切です。「全額が業務利用です」と言い切るためには、それを裏付ける記録や実態が必要になります。

ChatGPTのインボイス対応について

OpenAI(ChatGPT)は、2025年1月から日本の適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)として登録されています。

そのため、ChatGPT Plusなどの利用料については適格請求書(インボイス)の取得が可能になり、消費税の仕入税額控除の対象として処理できるようになっています。

マイページなどから自社宛の領収書・請求書(PDF)を発行し、忘れずに保存しておきましょう。

LINEなどのチャットツールの経費処理

LINEやSlack、LINE WORKSなどのチャットツールも、業務目的であれば経費にできます。「通信費」として処理するのが一般的です。

・取引先との連絡(納期調整・見積もり依頼など)

・社内連絡や業務報告

・顧客対応のチャット

ただし、家族とのやり取りやプライベートでの利用が多い場合は、ChatGPTと同様に按分が必要です。スマートフォンの通信料を全額経費にしている場合、税務調査で業務利用の根拠を確認されることもありますので、利用の目的や割合をある程度把握しておくことをお勧めします。

確定申告でどう処理するか(個人事業主向け)

日々の処理から申告までの基本的な手順です。

領収書・請求書を保管する

クレジットカードの明細だけでなく、請求内容がわかるメールやPDFを保存します。

会計ソフトに毎月入力する

勘定科目「通信費」または「支払手数料」で毎月の支払いを入力します。按分がある場合は、業務利用分のみを入力します。

確定申告書の経費欄に反映する

青色申告の場合は「青色申告決算書」の通信費欄に、白色申告の場合は「収支内訳書」の通信費欄に合算額を記入します。

按分の根拠をメモしておく

「業務70%・私用30%と判断した理由」を簡単にメモしておくと、税務署から問い合わせがあった際にもスムーズに説明できます。

税務署が見ているポイント

税務署が確認するのは「そのツールを使っているかどうか」ではなく、「それが事業遂行上必要な経費だったか」という根拠です。

・業務との関連性(何の業務に使ったか)

・領収書やクレジット明細が保存されているか

・私的利用分が混ざったまま全額経費にしていないか

・按分の根拠は合理的か

「第三者に説明できる経費にしておくこと」が最大のポイントです。

まとめ

・ChatGPTなどのAIツール利用料は、業務目的であれば経費にできる。

・勘定科目は「通信費」が一般的。一度決めた科目を継続することが大切。

私的利用が混ざる場合は按分が必要。

・ChatGPTは2025年1月からインボイス対応済み。領収書の保存を忘れずに。

「業務にどう必要か」を説明できる状態にしておくことが税務対策の基本。

AIツールは業務効率化の心強い味方です。正しく経費処理を行って、ビジネスに役立てていきましょう。

処理に迷うケースやご不安な点があれば、お気軽に当事務所までご相談ください!

【執筆者】

この記事を書いた人 執筆者:上ヶ迫 歩

 吉村税理士事務所のスタッフ。お役様に役立つ税金の知識を分かりやすくお伝えします。

この記事を監修した人 監修者:吉村 匡史(代表税理士)

 広島の吉村税理士事務所・代表税理士。特に広島での会社設立・創業支援に力を入れており、地域の起業家を全力でサポートしています。>>代表プロフィールはこちら

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